古代中国の仙人「鬼谷子(きこくし)」と言う人が創始した、宇宙の本源の気を実社会で活用する 「算命占星術」と「仙相術 」と言う「炁」を観る占法の事です。
占星術は 「算命学」と言う自然哲学で、老子の自然観を骨子に、それ迄の陰陽論、五行説、天文暦法、気の思想等の精髄を集大成して宇宙と人との関わりを明確にした学問であり
その中で 「人も宇宙を飛ぶ星の一つであり、吾々が依って立つところの地球を始めとし、太陽や月、その他の星々や自然や、他の人々の影響を受ける故にこそ生きており、それ等との関わりを調べる事によって人はその生存の意味を知り、個々の役割を悟って、生に安住する事が出来る」とし、その部分を「算命占星術」と名付けて実用に供しました。
「仙相術」は前記の学理の実践法であり、宇宙の本源から発する 「気」はそのまま、すべての有象無形のものの中に共存し
それを感知、体得、操作する事で、本源の「炁」に同化し 非生不滅の永遠の命の栄えに達すると言う「超人行法、神仙道」の一部であって、即ち、体行によって自分の生命の本質を知る事から始まり
同根異体であるところの他者や、事物の実体を正観して、自他の最も正しい生き方を得ると言う占導法です。
この最高の真理を明かす学理と実践法をもった二つの占法は、普通に占いと言われている、当った外れた、とか、吉凶を予知、予言したり、場当りの改禍招福をして運命を変える事を目的としたものとは一律に論ずる事は出来ないので、「超占法」と言われ、以来二千年余に亘り、あらゆる東洋流諸占術のルーツとして秘かに 継承されて来ました。
その内容は、政冶、経済、戦軍略、大衆化導、宗教から、国や民族の存亡と起承転結、家系や個人の栄枯盛衰、吉凶禍福に至る迄、地上にある人間すべてに対してのあらゆる占技占法を完備した
言い換えれば「占いの元締め」の様なもので、原典である占経「算命学十六元法」は、十六種の基本となる占法を示し、その各元法の中に百種類前後の占いの技法を持つので、合計すると千数百種の占い方が出来ると言われ、現在吾が国に在る東洋式占いの90%位は、ここから派生分流し、又何らかの影響を受けていると言われます。
この元である総合占法は、大は国家、民族の興亡から、小は個人の一生を元とした、前後七代の栄枯消長に至る迄を、自在に昇降支配し、その威力は神の領域 にも及ぶ、と言うところから「神占術」の別称を持つもので、私はまだまだその学も行も途中ではありますがこの名称を使わせて頂いております。
神占術の学理は難解無限であり、又、かりに血を吐く努力で習得したとしても、それを術として他に施すに当っては
「気」を体得、観望、駆使出来なければ、その絶大の威力が半減して終うので、塾達 の士と言えば、各時代を通じてほんの少数しか現われませんでした。
更に、創始者の「鬼谷子」はこれを限られた弟子に教えるに当り
「伽藍不求」寺院や仏閣等を建てるようなことはするな
「衆門不開」公開してはならない
「宜伝不為」宣伝もダメ
「金品不欲」金品等は欲するなかれ
「生涯不世出」出世を望むな
ときびしく制し、自らも、再三の国王の三顧の招きに対しても弟子の「蘇奏」と「張儀」を残した上で、サッサと雲霧山と言う仙山に隠遁して仙行三味 に明け暮れたのは、この神占術を以て世に出ると、必ずや社会の一方を制圧し、そのあまりの速さと、巨大なパワーの故に、反って身を滅ぼす事をいましめたのでした。
以来歴史上の人物で、この術か、その一部を使ったとされる人は、前記の合従策連衡策を駆使した従横家の「蘇奏と張儀」
道教の方士、「除福 」「諸葛孔明」、「花鑑」、「張良 」等で
吾が国では
「空海」「楠正成」、「山本勘助」、「竹中半兵衛」、「明智光秀」、「南光坊天海」、「水野南北」、等が挙げられ、又表に現われないところでは、某巨大教団を作った教祖や、政界の黒幕と言われた近代の人もいます。
しかしいづれも此の人達の表の顔からは、「神占術や算命学」と言う名称は見えず、極く最近迄は、
その全貌が人の目にふれる事さえもなかった事から「幻 の占い」とも言われ、伝説上のものの様に
も考えられていました。
この間、正統の神占術は、中国代々の王室専属の占いとして一子相伝で伝えられた、算命学を主とする流れと、山に入った鬼谷子から仙道、 道教、神仏教、軍略界と続く仙相術を主とする流れに分かれて、二千年の歴史の変遷を越えて来たのです。
前者の、門外不出で王室の保護と拘束の中で流れた算命占星術は、彼の国の共産革命の成功により、
その立地を失い、後継者「呉仁和」と言う人がその膨大な資料と秘法をたずさえて戦後の吾が国に逃れ、後事を「高尾義政」と言う天才に拓した上で晩年、故国に戻り没しました。
宗家となった高尾師は、「かくも偉大な秘法は独り私すべきに非ず、衆に供して世に益す可し」。
と考え、学舎を開き、その門扉を一般に解放したのです。
この門下よりは、私の師を始め、多数の俊才が輩出し、吾が国の占いの世界に革命的一石を投ずると共に、今日の「奇積の経済覇権」の陰の立役者として大いにその威力を実証しました。
しかし宗家の高尾氏は鬼谷子の諫言通り、平成二年に、惜しくも若くして天折致しました。
この「占星術」で目に見えない貴方を 顕彰 し、現実に生きる貫方を「完全な幸せ」、へと導くのが「仙相術」です。
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